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(コラム) 日本株はUS株を追う?

個別企業の株価はその企業が将来に渡って創出すると推定されるキャッシュフローの現在価値と定義できます。ところが、実際は現在のビジネスモデルが陳腐化するリスクや新規事業による新たな収益の獲得の可能性など不確定要素が多く将来のキャッシュフローは確定できません。さらに将来キャッシュフローが分かったとしても、現在価値を求めるための割引率も一定ではありません。リスクフリーの金利と推定される国債利回りも変動しますし、ビジネスの種類ごとに上乗せされるべきリスクプレミアムも特にコンセンサスがあるわけではありません。

そこで、投資家はEPS(1株あたり利益)、ROE(自己資本収益率)、ROA(総資産利益率)、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの指標を使って株価の判断を下さざるを得ないわけです。基本的には将来の収益に対する見方が変化すると株価はその方向に動くことになります。ですから、現実の決算の数字よりは予想に対して反応するということがしばしば起こるのでしょう。

さて、日本企業はアメリカへの輸出が利益のドライバーになっていますから、その株価はアメリカ株の動向にかなり左右されているように見えます。一体どの程度その影響が説明出来るか考えてみます。

まず1990年以降この3月3日までの日経平均とNYダウの推移グラフです。

(グラフ1)
c1.jpg

次はNYダウの東京営業日の前々日から前日の収益率と、日経平均の前日から当日の収益率をプロットしたグラフです。

(グラフ2)
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これだと、NYダウが1%動くと日経平均は0.52%程度同方向にうごくという正の相関を示しています。ただし、決定係数は0.136、相関係数は0.37前後とうことであまり強い相関ではないようです。では、次にグラフ3,4,5を見てください。

(グラフ3)
c3.jpg

(グラフ4)
c4.jpg

(グラフ5)
c5.jpg

これは、それぞれグラフ2からNYダウの収益率の絶対値が1%、2%、3%以下の場合を除外したものです。つまりNYダウがある程度以上大きく動いた時の東京市場の反応ということになります。値動きが大きくなるほど東京市場への影響は大きくなってきていることが分かるのではないでしょうか?3%以下を除外したグラフ5では決定係数0.5807ですから、相関係数は0.76程度まで高まっています。つまりNYが大きく動けば動くほど、その動きはストレートに東京に伝わると言うことですね。

では、逆の検証をしてみましょう。前日から当日の日経平均の収益率に対して、同じく前日から当日のNYダウの収益率をプロットしました。全くと言って良いほど相関が見られません。

(グラフ6)
c6.jpg

念のため日経平均の収益率の絶対値3%以下を除外してみます。

(グラフ7)
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やはり全く影響がないと見ていいような数字ですね。

螺良 靖
マネックスグループ CRM(Chief Risk Manager)

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